選挙動向 electoral phenomenon 2005 9 12
今回の衆議院選挙は、イメージ選挙となってしまい、
政策論争が深まらなかったことは、誠に残念なことです。
どの政党も、「改革」を訴えても、
政策論争が深まらなかったことで、
改革の中身が、はっきりせず、
結局、有権者は、
「改革は、格好いい。改革に反対する人は、格好悪い」というイメージの善し悪しで、
投票行動を決めることになってしまった感じがあります。
改革と訴えることは、誰でもできます。
しかし、大切なのは、
「どのような改革なのか。
そのプロセス(手順)は、どうなるのか。
時間や費用は、どのくらい、かかるのか。
改革の結果は、どういう将来が予想できるのか」について、詳しく説明することです。
さて、昔話をしましょう。
江戸時代は、「小さな政府」でした。
江戸幕府は、威張っていましたが、
地方政府(藩)に、補助金や地方交付税を配布することはありませんでした。
その結果、江戸幕府を倒せるほどの「巨大な藩」ができる一方で、
「貧乏な藩」が、たくさん、できました。
極論すれば、構造改革(小さな政府)の終着駅は、そうなります。
大きな政府の象徴である「国土の均等な発達」を止めれば、そういう結末になるでしょう。
こうしたことについては、江戸時代と違い、
今は、民主主義国ですので、国民的な合意形成が必要でした。
いまだに、江戸時代と同じなのか。
「お上が決めたから、国民は従え」なのか。
そう思いたくなります。
もちろん、国民にも責任があります。
日本の進路を決める「大事な選挙」なのに、
相変わらず、娯楽、グルメ、ファッションに夢中で、
改革の中身を知ろうとせず、改革のメリット・デメリットを考えず、
「改革は、格好いい」というイメージ判断に終始した感じがあります。
「シェフに、お任せ」は、一流のレストランだけです。
政党の場合は、メニューに細かく注文をつけ、時間と金額を聞くべきです。